■ Travel Journal 
From: Tomohisa Sakata (sprynet.com)
Organization: RES Online (Vancouver)
Date: Sat, 2 Mar 1996 07:07:27 GMT
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【マウイ島旅行記】(2)
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Feb 21 (Wed)22:40               □ ヤシの生えた湘南海岸
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   早起きして卵とベーコンのコンチネンタル朝飯を食べたら $20。レンタ
  カーを借りたら $65。これでは日本よりも高い。まったくうんざりしなが
  ら車で走り始めた。車が揺らぐほどのものすごい風だったのだが、どこか
  の崖まで行ったらその風で模型グライダーを飛ばしてる奴がいた。「この
  風をずっと待ってたのさ! マウイの強い風を求めて、メインランドから
  移ってきたんだ、こんな日に仕事なんかやってられないよ!」。なんつー
  いかれた野郎 (^_^;)。でもほんとに気持ちよさそうだった。

   そのあと島で一番人気のある対岸のリゾート Lahaina まで行ったのだ
  が、東側とは別世界の賑わいだった。風が当たらないせいか西岸は気温も
  高く、人のごったがえすきれいなショッピング街をそぞろ歩いていると夏
  の軽井沢みたいなリゾート気分で楽しい。お気楽でニヤニヤしてしまう。
  妻は水着を欲しがって探していたのだが、彼女の嫌いな蛍光色のハイレグ
  しか売ってなく、断念。もっと普通なのがほしいのよ。

   そこには砂浜がなかったので、ビーチを歩きたいぜとどんどん Kahana
  のあたりまで西上していった。が、道路から砂のビーチはほとんど見つか
  らず、そのちょっとだけのビーチはすべてホテルのプライベートビーチに
  なっていた。どこもかしこもヤシの生えた湘南+巨大ホテル群って感じで
  あった。つまらないので引き返す。※

  ※ のちにその先に Whaler's Village という町があったことが判明、行っ
      てみたかった。Kahului から Lahaina までは1時間強のドライブ。

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   最後にパンフレットで見た The Needle という山を見に Iao Valley※
  に行ったのだが、これが最高だった。溶岩が水に削られてできたという、
  山水画のように切り立った小さな山々が連なってる。美しい。ずっと海
  とヤシとホテルばかり見ていたので、渓流ととんがった山の美しさが目
  にしみる。やっぱり山と川の方がいいな、私は。妻も、「神が宿ってい
  る」と感動していた。「その昔、ここの神にいけにえが捧げられたのだ」。
  ほんとかな?

  ※ 空港からわずか 15 分で行ける美しい谷。パンフレットの写真から
      想像するより山々は小さいが、実に美しい。

   夜、晩飯を食おうと近所の日本レストラン※へ行ってみたら、やってる
  のは中国人の一家だった。最初に出てきた味噌汁が飲めたもんじゃなかっ
  たのでやばいと思ったのだが、案の定注文したカツ丼もひどすぎて食えな
  かった。なに風味だろうと食えればかまいやしないのだが、喉を通らない
  ほど激烈にまずかった。これほどかけ離れたものが出てくるのは、調理人
  は日本の味噌汁もカツ丼も食べたことがなく、本でも見てそのまま味見も
  せず作ってるに違いない。日本食人気が悪い方に展開してる様子だなー。

  ※ Kahului 近辺で唯一のジャパニーズレストランと思われます、ご注意。
    まあバンクーバーでも日本人が調理していない日本レストランはたくさ
    んありますが、これはひどかった。

   全体的に、いま一つ盛り上がらないハワイの旅。渓谷はきれいだった
  が、やっぱり日が照って海に出られないことには、この島に来る価値は
  ないかもしれん。

   今夜は昨日にもましてすごい風だ。ホテルの裏のすごい波の音が聞こ
  えないほど風が唸っている。なんと妻が TV で聞いたところでは、今ハ
  ワイのトップニュースは「ストーム直撃※」なんだそうだ。「モロカイ
  島には物資が届かなくて困っている」「ワイキキではレジャー用品レン
  タル業者が商売あがったりで従業員に給料が出ない」「工事現場で強風
  による事故があった」などなど。よりにもよってそんなときにくるとは
  (;_;)。ストームでもこの程度の悪天候(強風と曇りだけ)とはさすが
  にハワイは南の島の横綱だ、と感心はするけれど、これではなあ。今日
  は疲れた。

  ※ こんなストームは六十年代以降初めてだと地元の人が言っていた。そ
      れはちょっとおおげさだと思うが (笑)。

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Feb 22 (Thu)08:11 pm            □ Aleakala のクレーター
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   朝から妻の機嫌が悪かった。予約が今日までだったホテルの滞在延長
  をフロントに頼んだら、今夜までしか空いてないと言われ明日から泊ま
  るところがなくなってしまい、そのせいか。昨日の疲労も抜けずぐった
  りだったのだが、ともあれうす曇りの空の下巨大死火山・Aleakala 火
  口を見に行った。
Aleakala Mt.  登って行く途中の牧場の景色がたまらないほど最高で気分もほぐれ、 頂上まで車で行けるというのもありがたしと火口に着いたらオーマイゴッ ド、なんてこったのすごい景色。(Aleakala Crater -->)

 全くの異世界、巨大な外輪山に囲まれ た月のような美しいさまざまなクレーターたちが、信じがたい色に塗り 上げられている。寒い山頂でただただすごいと写真を撮りビデオを回し、 ため息をつくばかりだった。ここから溶岩が流れてこの島ができたのだ。
すごいな。見てみたかったよ。※

※ ガードレールがなくちょっと怖いワインディングロードを2時間ド ライブして行く価値は大有り。山頂は非常に寒く、ビーチでの格好で 来てた人は車から出られず泣いていました。
   観光パンフレットに「自転車で Haleakala 火口から 10000ft のダウ
  ンヒル」ってのがよく出ててちょっと気を惹かれてたんだけど、登って
  行くときに5グループ 150 台くらいの自転車が上から降りてきた。と
  ころがなんとマシンは MTB じゃなくて「MTB 登場以前のプロトタイプ」
  という感じのヘンな自転車だし、バイクのヘルメットとヘンなナイロン
  の防寒スーツを着せられてるし、なによりも車と同じ舗装路走行。うー
  ん、であった。MTB を借りて思い思いのペースで好きなように走るほう
  が楽しそうだなあ。※

  ※ それでも自転車好きな人には楽しいかもしれません。坂はゆるく、
    そんなにスピードは出ないようです。1グループだけ本物の MTB+自
    由服装でした。

   山から降りるとき、道に迷って Makawao※1 という超かわいい田舎の牧
  場に出た。なんてすてきなカントリー。その下は Paia というサーファー
  ズパラダイスの田舎町で、15 年前に絶滅したとされるサーファーとヒッ
  ピーが大量に生息していたので驚き。コミューンだ。レストランでシーフー
  ド※2 を食べ、巨大な波をすべるサーファーを眺めて盛り上がった。

  ※1 Paia・Makawao はただの田舎町ですが、余った時間を使って車でぶ
       らぶら走ってると楽しいです。「ポパイ」に出てきた夢のカントリー
       サイド。
  ※2 ハワイのシーフード料理は、blacken という魚の切り身を火であ
       ぶる料理が多いようです。私はあまりおいしいと思わなかったけれ
       ど、同行人はまあまあだと申してました。肉と魚は総じて大味だと
       思います......がそれは北米どこでもおんなじか。

   Paia に日本のお寺と数百もの大量の墓石があって驚いてしまった。
  小さな町なのに日本レストランと日本雑貨があったし。ハワイ日本人移
  民の歴史を、ビジュアルに訴えかけてくる古い墓石群。

   戦争のはるか前から入植し、ハワイを築いて来て、ハワイそのものと
  日本人は切り離せない一つの混合文化の中にあるのだろうな。沖縄から
  入植した祖先のひ孫に当たる人に話を聞くと、ハワイの家庭ではどこも
  玄関で靴を脱ぐそうだし、shoyu などの日本語がハワイ語に混じってる。
  ハワイ日本移民の20世紀を想像すると、感慨深いものがある。

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   しかし、明日からのホテルをどうすべきか。妻はそのことを考えて終
  日不機嫌だった。ふてている彼女を放っといて電話帳をめくってあちこ
  ちのホテルに電話したのだが、やっぱり行きたいところの住所が分から
  ないんだから電話帳でホテルを見つけるなんて困難な話で、やめてしまっ
  た。明日空港へ行って探せば見つかるよ、観光地なんだから。変更が利
  かない旅がいやだからこういう風にリスクをおかしてるわけで、それが
  うまくいかなくても仕方がないではないか。そう言い聞かせても、彼女
  の機嫌は直らない。

   こういうふうに、なにごともその時の気持ちよりも段取りが先行して
  ないと行き詰まるから、私には基本的に海外旅行は気が重いのだ。自由
  じゃないよ。今日のクレーターなどを見れば、飛行機になんか乗って遠
  くへ来た甲斐があるなとは思うけど、それと自由とは話が別だ。

   とりあえず明日はなにがなんでもホテルをみつけないとな。しかし今
  夜も強烈な風だ。私たちが帰る前に、この風は納まるんだろうか。
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 │サカタ│
 └───┘
 ...Tomohisa Sakata (Vancouver, CA)

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