【Journal】クルマとモーターサイクル


■ 01/10/20(土) 12:32:06 □ 萌の賢さ
 Mの論文書きのため萌の世話となり、仕事は進まず。まあなんとかなるだろ う。夕方LDがやって来たので、「あLDだ、LDが来たよ」というと、萌が 階段に走っていって玄関に向かい「ア!」と叫んでいた。うおおおすごい。L Dの名前自体を覚えていたとは思えないが、俺の口調で『誰かが来た、ならば 玄関から階段を上がってくるはずだ』と萌は判断したわけである。賢いなあ。  今のところ萌の知っている言葉は、萌、マミー、お父さん、クッキー、クラッ カー、キス、「行くよ」「来たよ」。  なんでスバルにしたのと問うLDにスバル 4WD の優秀性を説き(スポーツ カーだといっても「スバルはおやじカーでしょ」とぜんぜん信じてもらえず)、 久々にコリアン焼き肉を食べに出る。駐車場に一発で出し入れできず笑われる。 出るときは実際大変だった、やっぱりボディが長いクルマだ。 ----------------------  美しかったメイプルの葉が、雨と風で完全に落ちてしまった。はあ。あの葉っ ぱを片づけるのは気が遠くなる。  Mが今のペーパーを終えたら、ついに修士論文書きに入ることが決まったと のこと。やったじゃん! と思ったのだが、この準備とライティングに来夏ま でかかるらしい。やっぱりマスターとなると気長なことだなあ。だがまあ、間 に妊娠出産が入ったわりに順調なのではないだろうか。めでたし。
■ 01/10/23(火) 14:16:45 □ 風邪の萌と過ごす1日
 萌は風邪。昨夜から今日はとんでもない風で、デッキにあったものはすべて 落とされるし、家の回りは木の葉と枝で埋もれてしまった。裏の桧がものすご い勢いで枝を落としている。  萌は眠くなった頃にまた鼻水が出てひと泣きしたが、それ以外は1日上機嫌 で、一緒にいて楽しかった。この頃寒くなってからは、増築が終わった1階の BRルームで毎日萌と遊んでいる。BRが入居するまで、あのなにもないリビ ングで遊ぼう。 ----------------------  スバルに乗り出してからWRCが気になって結果を読んでるのだが、これは 面白い競技だなあと思う。三菱スバルの独壇場なのかと思ってたのだが、フォー ド、シトロエン、プジョーがけっこう強い。ヒュンダイですらポイントをゲッ トしてる。フォードフォーカスやヒュンダイがなんで速いのだと調べてみたら、 それらは4WD化され腕利きドライバーを雇って参戦しているのだった。シト ロエン、プジョーというFF王者でも同様で4WD化されている。つまり、現 に売ってる車で戦っているのは三菱スバルだけで、ほかは外形以外まるで別の 特別車を作ってやってるようだ。フォードなんてコスワースエンジンを使って るんだから、どこがフォーカスやねんというところだろう。  またシトロエンはターマック(舗装路)専用車を作りポイント参戦している ゆえに、ターマックではぶっちぎりらしい。プジョーもターマックスペシャリ スト的存在だが、こちらはダートでも十分強く去年の王者。そんなこんなで氷・ 雪・泥・砂・土・舗装路とあらゆる路面で争うこのラリーでは、三菱スバルと いえどそうそう勝てないのが分かった。面白い。TVで見たいなあ。日本でやっ てるらしいんだけど。
■ 01/10/26(金) 12:00:34 □ 日本のいろんな車の記事
 昨夜、日本のMBさんのファミリアスポルトワゴンってどんな車なんだろう と思い出し、Web で情報を見てみたら驚いた。2000 DOHC 170ps! 4AT アク ティブマチック! スポーツサスにスポイラー付き! なんで彼女がこんなの に乗ってるのだと大笑いしてメールを出すと、すかさず返事が来て楽しかった。 まさかMBさんとクルママニア同士になってメール交換をする日がくるとは、 おしゃか様でもご存じなかったのである。  マツダから始まって、ミツビシ、ホンダといろんなメーカーの Web を巡っ てみた。こうして日本のいろんな車の記事を見ながら、日本に帰ったらどんな 車に乗るだろうと想像する。愛する軽バンは萌の安全性の面でもう乗るのは無 理なのだが、その同じバンでも時代激変を反映し、厚めのノーズをつけて衝突 安全性を高めていた。なるほどー。  だが、車での走りに目覚めつつある今では、軽バンではつらいかもなあと思 う。直線は遅くてもいいんだけど、コーナーが楽しめないのではつらい。ホン ダバンで過ごした日々は文句なく楽しかったが、あれがレガシィだったら別な 楽しみも加わっていたのだ。  今考えてみれば、VW を借りて走った飯田から浜松の絶景クネクネ山道なん て、VW じゃなんともなかったのだが、OKOのフォレスターを借りていたら えらい楽しかっただろう。北陸ツアーなら岐阜から降りていって高速で目標の 四国にも行けたかもしれない。車のコーナリングの楽しみを知らなかったとは いえ、もったいないことをしたという気がする。まったく日本というのは、狂っ た料金の高速さえ使わなければツーリング天国なのだ。
■ 01/10/27(土) 22:29:34 □ クルマとモーターサイクル
 今日は萌遊びと晩飯調理以外は遊ばず(1章ごとに休んで読み物をしていた のがよいペースにつながった)2000 進め、ついに仕事全終了。明日は5時ま でプルーフのみ。 ----------------------  スバル水平対向移動決断の元となった「Beyond the Motor」のバックナンバー を読んでいて、また腑にストンと落ちる記事が見つかる。この人はリッターバ イクで箱根を攻めるライダーでもあったのだ。そして彼はいうのである。 > なんでクルマは曲がるのか? 実は、オートバイと同じなのだ。タイヤ > のキャンバースラストで曲がっている。(中略) タイヤが4つあって勘違 > いしやすいんだけど、コーナーを曲がるってのは、コーナー外側の前後 > 2つのタイヤに過重が移動するということなのだ。つまり、このコーナー > 外側の前後2つのタイヤだけ見れば、オートバイとまったく同じなわけ。 > コーナー内側の前後2輪はハングオンしているライダーみたいなものだ。  ああやっぱりそうだったのか。俺がレガシィのトラクションを『TZRみた いだ』と感じ、それだけを求めてきたのは間違いではなかったのだ。バイクと 同じものだったのだ。気持ちいいわけである。自分以外にこのことを書いてい る人は初めて見た。やっぱりバイク乗りには、共通の視点があるんだろう。  その外輪荷重を作るために、 > きっかけだけはフロントタイヤで作って、あとは上手に4つのタイヤに > コーナリングフォースを発生させてクルマを旋回させる  のがキモなのだそうだ。まったく今毎日トライしていることそのものではな いか。『フロントタイヤの舵角を最低限で曲がる努力』『車体のロール、リア タイヤへの過重移動などにも気を配らないとならない』『助手席に乗る人にも 楽』と、日々の努力目標がすべてここに書かれていた。間違ってなかったんだ なあ。 ----------------------  萌の世話をしつつ、引き続き「Beyond the Motor」バイク編を読む。これを 読んでいると本当にバイクの日々がなつかしい。だけど、また速いマシンに乗 りたいという熱情は不思議に湧いてこない。  90 年頃に、自分の能力ではこれ以上速く走れないというところまでバイク で行き着いてしまい、スランプになりあるしらけた気持ちになっているところ にMTBファンタイムの波がやってきて、ツーリングには車にMTBとキャン プ道具を積んでいくことが多くなり、そうこうしているうちにカナダに来てし まったわけだが、もうバイクでは自分ができるだけのことはやった、完結して しまったという気持ちがある。  日本に帰ったときにOKOのTZRに乗ったときにも『もうなんというか、 TZRじゃなくて初代RZやSRXみたいな低速コーナリング向けバイクに乗 りたい』と思い、そのあとTZRを借りて乗りたい気持ちにはならなかった。 須坂周辺でいい峠がなかったせいもあるけど、Mを置いて1人で戸隠斑尾あた りに行きスーパーツーリングをする気持ちにもなれなかったのだ。  マイルドな大排気量エンジンとRZのハンドリングを持ち、Mと萌が一緒に 乗れるバイクがあるならいくつになってもどんな状況でも乗って楽しいことだ ろう。それが今のレガシィなのだ。車とはそういう乗り物なんだな。Beyond the Motor 氏はバイクに(現役で)乗っていないと駄目という。彼のストイッ クさにかつての自分を見て愛情を感じるけれど、家族を勘定に入れないで生き ることはもうできない。でもレガシィにトラクションがある限り、俺はあのコー ナーにいつだって戻れるのだと明るい気持ちになる。
■ 01/10/29(月) 25:37:56 □ 萌のお気に入りビデオ
 萌の機嫌は今日もアップダウン。だが基本的に調子はいいようで、アップが デフォルトでなにかあったときに一気にダウンしやすい、という感じだった。 風邪が抜けないのかと思っていたが、これは歯痛っぽい。まあともあれ仕事が 終わったのだからととにかくたくさん遊んでやった。  萌の風邪絶不調中、「病気だから特別だぞ」とコンピュータ机のエリアに入 れてやっていたのだが、しつけには例外を作っては負けとの育児格言通り、入 れてやらないとえらい怒るようになってしまった。いったん入った場所は萌に とってはサンクチュアリじゃなくなっちまうんだよなあ。もう私の机の回りは 萌のために滅茶苦茶な散らかりようです。だが狭いスペースに入り込んでCD とかMDとかをひっくり返して遊んでいる萌はつくづくラブリイで、仕方がな いかと思ってしまう。  機嫌が悪いときにはお気に入りのP家特製日本語ビデオを見せてやるのだが、 そのビデオのオープニングが出た瞬間の萌のぱっと輝く顔なんて、こんな美し いものは人生そうそう見られないよなあと思う。画面が出た瞬間にこっちを向 いて「ホラ見て!」と顔で訴えかけるのだ。これはビデオカメラで記録してお かなければいけない。
■ 01/10/31(水) 12:30:00 □ 初めてのハロウィーン
 今日もレガシィで買い物に行こうかと思ったが、ハロウィーンのチョコレー トしか買うものはないというので、その程度で車を出すのはいかにも資源の無 駄だとあきらめ、カートに萌を乗せて近い方のスーパーまで歩いていった。秋 だなあ、風が冷たい。ハロウィーンの飾り付けをした家々を見ながら萌と歩く。 スーパーのレジのお姉さんたちもコスチュームを着ていた。萌のカートを押し ていけば、この道は散歩として悪くないなと思った。  うちは特に何も飾り付けはしていないのだが、子供たちがやってきたときの ためにチョコレートだけは大量に用意する。暗くなる頃に裏の、いつもワイル ドなパーティをやっている家からすごい花火が上げられた。カナダの花火技術 (中国製か?)などたかが知れているのに火薬量が半端じゃないので、軌道が 狂ってこっちにきたらえらいことだなと思う。火の粉が木の上に落ちたらボヤ になるんじゃないか。―――と思っていると、近所にファイアエンジンと救急 車がやってきた。ホラホラほら。向かっていったのは別の家だったが、花火だっ たんじゃないだろうか。 ----------------------  初めて体験する(アパート住まいでは体験できない)ハロウィーンは、なか なかすごかった。6時過ぎて暗くなると町のあちこちから「♪う〜わ〜う〜」 という例の怖い音楽と、「ウギャー(グサッ)!」という笑わせる効果音が流 れてくる。ああなるほど、これはお祭りのないカナダの秋祭りなんだなあと思っ た。町中がせーので「グースバンプ」の世界を作り上げ、子供がその中で遊ぶ というコンセプトなのだ。これは楽しいわ。花火が四方でバンバンと上がり、 子供たちがどんどん押しかけてきた。  萌と一緒に玄関に待機し、子供たちが来るたびに応対する。萌はなにごとか は分からないながら死神だわ魔女だわ死んだ花嫁だわドクロだわ吸血鬼だわド ラゴンだわ牛だわ本物の犬だわがどんどん訪ねてくるのでえらい喜んでいた。 子供たちはチョコレートをもらうとサンキューとえらくそっけなく去ってしま うのだが、萌は「え? なんでもっと遊んでくれー」という感じで後を追い、 玄関から飛び出していきたがっていた。  8時くらいに計20組くらいの訪問が終わると、あとは2時間ほど各家庭か ら花火上がりまくりだった。本当にカナダ人は驚くべき火薬量の花火を打ち上 げる。日本じゃあんなどでかい爆発がするものは危ないからと売ってないはず だ。そしてあまりの花火量に町中は煙の底に沈み、息が苦しいほどになってし まった。たまたまなのかそういう特異日なのか、あれだけ降っていた雨が今日 はぴたりと止んで風もない。ケムは延々と流れることなく町に滞っていた。カ ナダの花火大会は異常にしょぼいが一般家庭用花火はおそるべし。萌は花火を 見て驚き、「おお」とずっと楽しんでいた。楽しい夕べ。
■ 01/11/01(木) 13:02:15 □ お母さんのスーパーラン
 昨夜のハロウィーン終了直後からずっと雨。まったくあのハロウィーン時だ けはよくも晴れたものだと思う。それくらい毎日雨のBC。  夕方モールで日本向けクリスマスプレゼントの先行買い物。風邪の抜けた萌 はおもちゃ屋でもうじっとしてはいられないというほど興奮し、その場駆け足 を続けながら展示品で遊んでいた。機関車トーマスセットを買ってやりたい。 がナイスな木製のキットは線路4本で$20などという馬鹿げた値段が付いて いたので没。そりゃ鉄道マニアのフィギュアの値段である。日本のボーイズの プレゼントは一応揃った。  帰りはMの運転となるが、後席は後席で味わいがあるので我慢する。Mは本 当にキビキビ走るので気持ちいい。Lougheed から Merridian に入るところな んて、前の車に追いつくためにゼロ発進から 4000rpm くらいまで引っ張って いたんではないだろうか(俺は普段 3000 以上はほとんど使わない)。しっか りエンジンのトルクを引き出しドリュリュと加速し、ハンドルをぎゅっと切っ て外輪をアウトに押し付け強烈に旋回し、4輪にパワーを叩き付けてバーンと 交差点を抜けていった。すんごい運転であるお母さん(笑)。ハンドル操作は 滑らかで不快な横Gもないし、快感であった。  帰ってから素晴らしい腕前だ誉めそやしたのだが、「ええっ! あたし飛ば してたの?」とまた自分では気付いていなかった。やっぱり 4WD が伝えてく るシュアさが運転を自然に加速しているのだろう。
■ 01/11/02(金) 17:33:12 □ レガシィと TZR の違い
 久々に晴れて暖かくなったので萌を連れて公園に行く。しばらくパークで遊 んだ後、川沿いの道を降りていった。MTBで川に突っ込んでいく小僧2名を 発見、おおえらいえらい。しかしこの気温で川に突っ込んでいき、倒れたら着 替えはあるのかお前たち。  橋をくぐったところでちょうど PoCo 駅から汽車が発進して橋を渡り始めた。 音をたててのろのろと動く巨大な汽車を初めて見た萌が、「おお」と口と目を 丸くしている。なにをやってるのかしらんが汽車は細かく往復していて、その たびにガッシャーンとすごい音がする。そのたびに萌は俺の顔を見て「おお」 と口と目を丸くするのであった。大笑いして写真を撮る。ナイスな秋の散歩だっ た。 ----------------------  帰りに Shaughnessy のカーブで 3rd に入れエンブレを効かせながらコーナー に入ると、きゅーっと音がしそうなほどすばらしい初期旋回を見せた。バイク はそういうフロントが巻き込む曲がり方はしなかったなあと考えている。  フロントブレーキを残してフロントフォークを縮めたままクイックにコーナー に入るというテクはバイクでもあったわけだが、俺はリア乗りでフロントタイ ヤの荷重を使わないタイプだったので、コーナーに入る瞬間にブレーキはリリー スしていた。TZR自体もコーナリングのG(とハングオンの外脚太股からの 入力)でサスを沈めてトラクションを稼ぐタイプだったと思う。  サスが沈んで膝が接地してからのトラクションは、今考えてもあれ以上は引 き出せなかったと思うが、俺よりも速いライダーたちはフロントブレーキを残 すことによってコーナーの入り口でクルリと向きを変え、高い速度を維持した ままコーナーに入っていたのかもしれない。たぶんそういう部分で差がついて いたのであって、度胸の差ではなかったのだろうな。  しかしバイクだとライダーがハングオンやブレーキ入力などを駆使して引き 出していたレベルのトラクションが、ギアを一つ落として普通にコーナーに入っ ていくだけで出てしまうのだから、このレガシィという車はインチキ的によく できている。てなことを考えるほど、車のテクニック追求もバイクと同じなの です。
■ 01/11/03(土) 15:02:46 □ 中田が陥っている場所
 アフガン山中に逃げ込んだ難民 60 万人がこの冬凍死する恐れがあると報道 された。一方で、日本ではテロ被害アメリカ人への募金が50億円集まったと いう。アフガン向けは数億円。あまりにも間違っている。泣きたくなってくる。 この戦争とテロとの悪循環を本当に止めたいのなら、即刻米軍が停戦を宣言し 難民救出に向かうべきだ。日本は頼むからこの難民を救うために自衛隊を使っ てくれ。 ----------------------  いろいろたまっていたスポーツ記事を読む。英ディビジョン1というものが イメージできず、川口の英国移籍にはほとんど興味を感じなかったのだが、な んとチームにプロシネツキがいるのだとスポナビで知った。なるほどポーツマ スというのは若い選手とピークを過ぎたベテランで構成されたチームなんだな、 とこの一事でたちまち分かる。やっと想像力が働き出すのである。第一代表で 2度も川口と戦ったことがある世界の一流選手なんてプロシネツキしかいない はずで、こんな興味深い部分を探らず、「ここをステップに将来はプレミア進 出か」などという切り口でしか語れないスポーツ新聞は本当に屑だ。でも Web で読めるから感謝してるんですけど。  また中田が不調だという新聞記事がさかんに出ていたのだが、識者の分析を 読みナカタ自身の言葉を読めば、チームの低調さと責任の重大さに引きずられ 力を出せないというだけのことらしく、監督交替後は力を出せそうな予感(い い監督だったらいいのだが)。  昔何度も一緒に演奏したアレルギーの宙也をこないだ Web で見つけ(まだ ちゃんと現役でレコードを作っていた、話すとイヤミな奴だったがえらい)、 その後いろいろ昔のミュージシャンの現在を追ってみたときに考えたのだが、 どれだけ音楽が好きで才能があっても、20 年間毎月毎月いい歌を書いていく なんてことはできない。感性は日常から新鮮なものを絶えず掬い取るだろうが、 それを歌にできるかどうかは別問題なのだから(―――たとえばストイコビッ チのパスやレガシィのコーナーが美しいといって、それを詩にしようと思って も無理―――)。ミュージシャンたちが気持ちを維持していくのは本当に困難 なことだと思う。だから宙也をえらいと思う。  なんの仕事でも、あるいは趣味であっても、気持ちが入らないときに 100% を維持するのは本当に難しい。俺のような凡人は 100%を要求されない仕事と 趣味を選んでしまう。  そして中田はそれができないポジションに今いるわけだ。ゆえにとてつもな い収入と栄誉を得、また成功したときには代えようのない達成感を得られるの だろうが、今中田が陥ってしまっている状況は普通の俺たちの生活での停滞と 変わりはないのだろうと想像できる。100%が出ない日々は、どうしたってあ るのだ。

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