【Journal】千と千尋の神隠し

■ 03/02/21(金) 13:20:19 □ ヘアカット
 萌いとこ3ボーイズ来日、ハッピーな午後。この間に俺は用足しをすべきと、 前々からやりたかった断髪をする。伸ばし始めた 95 年から7年ぶりに、ポニー テールもないすっぱり髪となった。無茶苦茶気持ちよい。なぜもっと前に切ら なかったのであろうか。ふー。  ボーイズのおかげで萌は一日ハッピーだったのだが、常時子供が4人騒いで いる家にいると、俺はえらく疲れてしまう。寝る時間になり家族3人だけにな ると、つくづくほっとした。
■ 03/02/23(日) 24:04:20 □ Pさん家にお邪魔
 素晴らしい晴れ日だったので、出かけたくなりPさん家にお邪魔する。萌が 毎度ながら序盤シャイすぎるのと、TY君が成長してあまり萌たちに付き合っ てくれなくなったゆえ静かな訪問だったのだが、それでも萌には十分によい午 後だったのは明らかで、帰る頃になるとシャイさが消え猛然と元気になってい た。  借りてきた「少林サッカー」が最高であった。アジアの楽しさと可憐さに満 ちていた。武道の美しさがこれまでにないほど見事に表現されていた。映画っ ていいなあと、久々に思う。
■ 03/02/24(月) 15:02:51 □ 可憐なアジアの少女
 夜Mに「少林サッカー」を見せる。俺にも意味がよく分からないホンコン 風シーンがたくさんあるので、セリフを訳してやっても「はあ???」という 場面が多かったのだが(ハエのシーンとか、まったくの謎)、おおよその筋は 分かり、最後のゲームでは涙を流して笑っていた。評は、「That was cute!」、 つまり誰が見ても「可憐だわ」なのであった。いつか英語版が出たらまた借り て見ればよし。よかったよかった。  「少林サッカー」のムイさんがあまりに可憐で、やっぱりアジアの少女には 得がたい魅力があるなあと考えてるのだが、萌を見ていると今ここにアジアの 少女が暮らしているのだと気づく。昨日俺がなにかで叱ったときに、萌の目か ら一瞬にして涙がぶわっとあふれてきてびっくりしたのだが、あれは本当に、 うわすまんすまんといって背中を叩いてやらずにいられぬほど可憐だった。
■ 03/02/26(水) 22:22:14 □ 近所のガールズ
 晩飯まで萌を近所のガールズと遊ばせた。一番大きいKLは明らかに萌たち と一緒に遊びたいのだが、PさんとこのTY君と同じで「もう子供じゃないん だから」という年頃なのかもしれない。こないだははにかんでついに遊びに加 わってこなかったのだが、今日は俺が鬼ごっこの鬼にしてやったら照れが抜け て遊んでいた。5人の子供を相手にして走りまくらねばならず、俺は無茶苦茶 ハードなのだが、萌のフレンドシップ開拓のため仕方ない。おかげでガールズ らも、萌を特別な存在(信州須坂方言で....なんだっけ、思い出せない、掴まっ てもオニにはならない特殊プレイヤー名...ビッケかな?)として大切に遊ん でくれている。 ----------------------  昨日今日とチャンピオンズリーグを見た。昨日のマンUの安定したスムーズ な強さには感嘆したが―――やっぱベッカムっていい選手だなあと初めて思っ た―――、ユベントスが悪すぎたゆえ面白くはなかった。今日のインテル-バ ルセロナも、双方頑張ってるのは分かるがつまらなかった。中田のゲームを見 たい。攻撃的MFとしての評価は落ちているらしいが、俺が見たペルージャや ローマでの中田の素晴らしさが、失われたとは思えないのである。トルシエ日 本代表でずーっとファンタジーが消えていたように、課せられた役割が合わな いのだと思いたい。  昨日在日英国人スポーツ記者の記事で初めて知ったのだが、稲本と戸田が 苦戦しているプレミアリーグで、中国の選手がすでに数人レギュラーで出てい るらしい。日本選手とどこが違うんだろう。日本の新聞は海外日本選手のこと ならハシの上げ下げまで報道するくせに、こういったことを知らせてくれない。 「あの」マハダヴィキアがドイツにいるというのも高原が行くまで知らなかっ たし。アジアサッカーのムーブメント全体を盛り上げ強くなるのだという志も 気概もないのである。  またこの人の記事を読めば、Jリーグでも無名ながら優秀な外国人選手がい い仕事をしているのがよく分かる。Jに関しては日本代表とブラジル人選手の ことしか書けない日本のサッカー担当記者は本当に、異常なまでにレベルが低 い。腹が立つ。
■ 03/02/27(木) 13:48:53 □ MついにTA (^_^)/~~
 Mに、ついに SFU 大学でのTA (teaching assistant) 職が入る。短期だ がこれで金の心配がだいぶ和らぐし、それよりなによりここまで時間と金と労 力を注ぎ込んで積み上げたアカデミック・バックグラウンドがついに生かされ るときが来たわけで、Mはキーと叫んで飛び上がっていた。めでたや。「Time is on my side」を歌って祝ってやる。 ----------------------  LOVE PSYCHEDELICO「LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA」というのを 聴くことができた。桑田ケースケのアルバムに入っていた女声コーラスが「た だ者じゃない」と気になって検索してみたらこのバンドの女の子だったのだが、 実にいい声である。  がアルバム自体はミリオンセラーって感じはしない。こんな趣味的な音楽を、 百万の若者が買うというのは不自然な気がする。日本のヤングはそんなに「粋」 なのか? 彼女のシンガーとしての実力は卓越しているが、日本のポップシー ンが成熟した現代に生まれたからこそこういうかっこいい音楽をやっていても、 もしこの人が 70 年代に登場してたら、ペドロ&カプリシャスとかに入ってた んじゃないかという感じ。
■ 03/03/01(土) 11:09:27 □ 宮崎アニメファンRB
 隣家の宮崎アニメファンRBを訪ね、「ラピュタ」を見せてやる。まだ彼が 見てない作品なので楽しんでいるようではあったが、俺の解説と重要セリフ同 時訳だけでは今一つ感動のステージに突入していけない様子。彼はナイスでジェ ントルな青年だが、話していて今一つ噛み応えがない。萌も他家で映画を見る ことに退屈してきたので、半分であきらめ中座した。あの家の人は次男を除い て皆穏やかでつきあいやすいが、なんかこう話が盛り上がらない人たちである。  大学時代のバンドメンバーKBがまたHPの整理をしてくれといっていたの で思い付き、彼の熱い読者たちのためにあの頃のMP3を作ってやろうと、手 元にある数少ない音源を聴いている。演奏は下手だが歌のよさに加え、詰め込 まれた数々の音楽的ひらめきにワクワクさせられる。20 年経っても似たバン ドは出なかった、面白いバンドであった。  ああエレクトリック・ギターが弾きたい。いいギター1本すら持ってないカ ナダライフ。金持ちになったらシングルコイルのギターを1本買おう。
■ 03/03/05(水) 14:08:54 □「千と千尋の神隠し」
 Pさんがなんと「千と千尋の神隠し」を貸してくれた。すごい絵! こりゃ 本当にすごい、「ハリーポッター」の城の千倍すごい湯屋と、とんでもない姿 ながら皆とてつもなく愛らしい物の怪(?)たち。ストーリーはちひろがドえ らいことに意味不明に巻き込まれたままどんどんと進みまだ分からないのだが、 だんだんと混沌がポジティブへと向かっていくのが分かる。ワクワクする。  涙と微笑みで夜中に見終わった。お父さんお母さんに魅力がないことに最後 まで違和感を感じつづけたが、あんな両親でも愛せずにいられないところに彼 女の良さがあるのだとも言える。 ----------------------  夜眠れず、頭の中を「千と千尋の神隠し」世界がグルグルと駆け巡り、苦し くもなかなか気色よかった。ストーリーに不条理な点があるため(※)ハリウッ ドでアカデミー賞を取れるとは思えないが、この映像のものすごさが評価され てほしい。アニメは美術賞にはノミネートされないのだろうか。 (※)カマじいに「働かせてください!」というところから始まる 物語と情景は文句なく素晴らしいが、そこまでちひろが翻弄 される導入部の harsh さと不条理が、どうしてもあとを引く。
■ 03/03/08(土) 11:03:56 □ 萌も大好きチヒロ
 「千と千尋」、俺が見て確認した上で、怖そうなシーンを飛ばしながら萌に 見せていたのだが、萌は怪物(物の怪)などを怖く思うほど世界観が発達して ないらしく、どうやら豚シーン以外は全部見せても大丈夫そうだ。宮崎アニメ は見るものをドキっとさせるのが目的じゃないしな。ハリウッド子供映画を見 ていると、萌がドワーングワワー! という効果音と音楽に脅えて(なかば喜 びながらだけど)嫌なのである。宮崎にはそういう類のスリルが込められてい ないのがえらい。とんでもない姿の「オクサレ様」が這いずるシーンでも、バッ ク音楽が穏やかな昔話風だし千尋の表情は豊かだしで、こっちはニコヤカに笑っ てみていられる。素晴らしい。
■ 03/03/12(水) 22:15:26 □ So Young
 レアル-ミラン戦を録画しながら仕事。夕方見たらレアルがやっぱすごく良 くて、やっぱり世界最強はレアルなのかと思ってしまった。3点目のジダン- ラウール-ジダン-グティなんて、ひらめきと献身と力強さと意外性と偶然がす べて詰まっており、美しかった。ミランは「勝っても負けても同じ」という事 情があってモーティベーションが低かったのだろうが、それにしてもパスがつ ながらず下手に見えて悲しかった。ミランに中田がいたらいいのにと思った。 このまま両者ともノックアウトに進むだろうから、勝ち進めばもう一度当たる。 本気のミランとレアルを見たい。今日のミランで美しかったのは、1点を返し たときのマルディーニのクロスだけだった。彼はやはり世界最高のサイドバッ クなんだなあと思った。  萌は今日は一日ワンダフルガールであった。Mが不在でMKも俺も忙し くて遊んでやれないのに、延々と1人で遊び、ときおり俺たちになにをやって るかを報告に来るのである。 ----------------------  中田が、もうウィングをやる意味は見出せない、サブでもいいからMFで使っ てくれと監督に直談判したのだそうだ。泣かせる。久々にファンレターを書い てしまう。 「決断!!」を読みました。 ナカタさんは知っておいでかどうか。ペルージャであなたが戦っていた頃、日 本へその姿を中継するW局は、試合の終わりに The Yellow Monkey というバン ドの歌をかけていました。躍動するナカタ選手のリプレイ映像が流れ、そこに いつもこの歌が流れていたのです。 終わりのない青春 それを選んで絶望の波にのまれても ひたすら泳いでたどりつけば また何か覚えるだろう 誰にでもある青春 いつか忘れて 記憶の中で死んでしまっても あの日僕らが信じたもの それはまぼろしじゃない So young この歌とあの頃のシーンを、今強烈に思い出しています。あの日僕らが信じた もの、それはまぼろしじゃない。So young、ヒデトシ・ナカタ。
■ 03/03/17(月) 09:05:50 □ 最後通牒
 仕事を3時に終え、晴れたのでプルーフリードは夜やろうと萌を 10 日ぶり くらいにプレイグラウンドへ連れて行く。家にいても萌はハッピーでいい子な のだが、やっぱり外を走り回るのは楽しいわ。帰って久々の外仕事(移民向け 英語学校の3週間臨時教師)をやってるMのためにうまい飯を作ってやり、そ れを食い終わったところでエネルギーが尽きた。半時間ほど宵寝。今日から3 週間ESL講師をやるMは、立ちっぱなしなのがつらいがそれ以外は問題ない とのこと。さすがプロ教師。  ブッシュがついに最後通牒を突きつけた。「国連が機能していないから米が 肩代わりする(国連に諮ったら勝てないからこのまま行く)」という無茶苦茶 な論法で、911の時点では日本人には分からなかったアメリカが憎まれる理 由が、これほどあからさまになる話もない。
■ 03/03/19(水) 08:27:26 □ 米イラク戦争静かに始まる
 萌がなぜか7時に目を覚まし、俺も7時半に起きねばならなかった。仕事の 疲れを取るために昨夜1時半に寝たのだが、これじゃぜんぜん疲れが取れない。 国際情勢に変化はなく、夕方期限が切れ、今日中にも攻撃が始まるとの報。 ----------------------  夕方ブッシュの宣戦布告があり、散発的に爆撃などの報が入り始めた。米が フセイン暗殺を最善手としてまずは追求しているためなのか、大規模な戦闘は まだ起きていない様子。バグダッド市内を一般車らしき車が走っているのが見 える。ブッシュの隠れ家を突き止めそこを叩くことに成功したら、戦争は終わ るのだろうか。それとも上層部が消えても兵たちは戦い続けるのか。戦う意志 を持つ末端がどこまで伸びているか、誰にも分からない。
■ 03/03/21(金) 10:02:13 □ 「Shock & Awe 作戦」
 まさに今、バグダッド大規模空爆が始まった。ものすごい火が上がっている。 どう見ても政府と軍施設だけで済んでいるとは思えない。例の「キノコ雲爆弾」 も使われた可能性があるとニュースは言っている。画面に映っていたのはまさ に小さなキノコ雲だった。原爆に次ぐ破壊力で「戦意喪失などの心理的な効果 も期待できる」というあれ。  そもそもこの空爆には「Shock & Awe 作戦」と作戦名が付いてるんだそうだ。 日本の新聞は「衝撃と恐怖作戦」とわざと穏便に訳しているが、普通に聞いた ら「衝撃と『畏怖』作戦」である。宗教戦争のさなかに、Awe なんて単語を持 ち出す無神経さと傲慢さを少しでも抑えようというセンスが働かないから、余 計な命が失われる。「政府と軍施設破壊作戦」でいいではないか。かっこいい 作戦名により自兵の戦意を高揚させたいのだろうが、このテの雄々しい命名を 全部止めていたら、降伏受諾までの期間がわずかにでも短縮できるかもしれな いのにと思う。  東京大空襲がこういう光景だったんだろうと思い見ていると、爆撃後の会見 でラムズフェルドが、「第二次大戦時の爆撃と比較する記者が多いようだが、 ああいった爆撃とは比較にならない。武器の精度が違いすぎるのだ」といって いた。誰もが同じことを感じ、彼に突っ込んでいるのである。どんなに精度が 高くても、あの爆発力では話にならないと。
■ 03/03/22(土) 12:15:39 □ えらい人たち
 午後ようやく晴れて、萌を連れ公園に行った。久しぶりに1時間半たっぷり と外で遊ぶ。Mが月曜から5日間家を完全に空けていたせいで萌が俺に依存 的になっていて、Mが帰ってもマミーマミーとまとわりつかないようになっ ていてMが悲しんでいたのだが、滑り台で転んだ時にはやっぱりマミーと泣 いていた。 ----------------------  週末、各地で激しい反戦デモが繰り広げられている。「始まってしまったか らには...」と早期決着だけを願うばかりの俺など日和見に比べて、始まって しまっても止めるべく全力を尽くすという彼らは本当にえらい。あるアメリカ 人は、「こうして反対しても止められないのは分かっているが、米国内にもこ うして反対している人々はたくさんいるのだと世界に知ってほしい」といって いた。えらい。
■ 03/03/23(日) 10:47:52 □ アカデミー賞
 昨夜やってきたBRがMKの説明入りで「千と千尋の神隠し」を観、なんと 「今まで見たアニメーションで最高だ」といって今朝また見直している。言葉 が分からなくてもあらすじと絵だけで楽しめるらしい。やはりあの絵の力はす ごい。今日夕方アカデミー賞があり、千尋がアニメ部門を獲るだろうといわれ ている。がしかしアニメ部門と外国映画部門は、プレビュー番組でもまったく 触れられない、北米人にとってはどうでもいい賞なんだよな。「美術賞」にノ ミネートされる価値があると思うのだが。あれ以上にビジュアル的に美しいも のが、ハリウッドにたくさんあるのかね。 ----------------------  「千と千尋の神隠し」はみごとオスカーを獲得したが、アニメはどうでもい いという会場のムードであった。宮崎カントクが行かなくてよかった。  日本でもヒットしているという反アメリカ銃社会映画の監督がアカデミーを 取ったのがハイライトだった。「私はノンフィクション映画を愛しています。 このフィクションだらけの世の中で、フィクションによって選ばれた大統領が フィクションの戦争を仕掛けている。ブッシュ大統領、私たちはこの戦争に反 対だ! 恥を知れ!」。会場はブーイングに包まれ、カナダのお茶の間はもう 大拍手であった。  こんなことをいったらこの人は右翼に襲われるんじゃないかとMに聞くと、 すでに反アメリカ銃社会映画を作ってるんだから右翼からは目の敵にされて、 脅迫を受けまくってるそうだわよとのこと。えらい人はどこにでもあり。  アカデミーを獲ったのでアメリカでの「千と千尋」評を読んでみると、「こ の映画を見ている間、起こっている現象(魔法など)の妥当性に1つの疑いも 抱かなかった。それはたとえば夢の中では超常現象を不審に思ったりしないの と同じで、僕は完璧に没頭していたわけだ。つまり、『夢のような』という言 葉が、この映画に僕が言えるただ1つの評だ」という言葉が見つかった。なる ほど。
■ 03/03/27(木) 17:17:56 □ 伝染病 SARS の恐怖
 やっとモールへ出かけられ、用を足した。萌はここに屋内遊び場があること を覚えていて、どんどんとそっちへ歩いていく。まあ時間もあるしいいかと遊 ばせてやると、他の子供たちときゃーきゃーと騒いで最高潮に楽しんでいた。 よしよし。残念ながら最高に盛り上がってる時にMを拾うために離れねばなら ず、それで萌は一瞬うぐぐと泣いたのだが、「チヒロ、泣かないで。お母さん を迎えに行こう」と「千と千尋」のハクの声音で話し掛けると、すぐに聞き分 けてくれた(笑)。本当にえらい子だと思う。  SARS という原因不明の重症急性呼吸器症候群がアジアに広まっており、香 港ルートでカナダにも上陸している。モールの遊び場にも中国の親子が何組も いて、考えてしまった。Mが今教えてる移民向け英語学校でも警戒が高まって おり、危険地域に旅行した家族がいる場合は学校を休ませることに決めたとの こと。この SARS というのは 19 世紀以来最悪の伝染病ではないだろうか。わ しらにとってはテロに遭うよりも危険率は高い。これ以上広まらないでくれと 祈るのみ。
■ 03/03/28(金) 16:43:34 □ いまひとつ伝わらず
 Mが教師として出掛けていると、バンクーバーや須坂の時代を思い出す。 疲れて帰ってくるんだから、うまいものを食わせてやりたいと料理に真剣にな る。窓からMの姿が見えると、萌を引っ張り出して手を振るのであった。そ こがあの頃と違う。 ----------------------  夜ついにMが「千と千尋の神隠し」を見る。楽しんで見ていたようではあっ たが、ストーリー上明らかに語られていない部分の答えを頻繁に俺に求めてく る。映画が終わると、「結局あの両親はヒドイままじゃない、これじゃ悲しい わよ」という。いやヒドイというほどじゃないだろう、いい両親とは言えない が、そんな両親でも千尋は愛しているから救おうと頑張るわけで、そこにメッ セージがあるんじゃないかと俺は言って聞かせるのだが、Mは最後に両親が改 心するといったシーンが欲しかったようだ。やっぱり白黒キッパリ文化と宮崎 映画は噛み合わない部分あり。「東京物語」や「お葬式」を見せたときもこう だった。文化相互理解は難しい。
■ 03/04/02(水) 08:39:50 □ 久々の読書の日々
 昨日ポシブル堂で『ローザ』という面白い小説が見つかり、2時半まで 読んでしまった。すごい力のある作家で(プロでもある)、映画評論もいい。 「千と千尋」についてはこう語っている。 http://homepage2.nifty.com/yoyutei/chihiro1.htm > 例えば初めて歩いた路地の裏、繁華街、そして初めて一人で乗った電車 > ……心細くて、泣きそうで、でも振り返ってみればどの光景も忘れられ > ない大事な心象となっている。そういう想い出の奥底を愛おしむような > 映像が一分の隙もなく続くんです。ただ、ただ、この世界に浸っていた > い。溺れていたい。と、ある種の大人には麻薬のような映画ですな。  この映像の力をまず、Mに伝えるべきだったなと改めて思う。MKにコピー してもらったバージョンは色が全然出ていないのだ。週末BVボーイズとMが 見ている時に、誰も物語に引き込まれていかなかったのだが、それは字幕を読 むために映像を隅々まで味わう時間的余裕がなかったのと、この色の悪さのせ いだったのだと後から気が付いた。映画館で英語吹き替え版を見せるべきだっ たのだろう。

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