はじめてのアメリカ競馬観戦記 - ヒシアマゾン欠場 ('95 春)
95/03/20 22:01

    ■ はじめてのアメリカ競馬観戦記 ■

     こんにちは、カナダ在住 FHRACE 海外取材班サカタは昨日 18 日、行って
    まいりましたよサンタアニタ競馬場。ごく端的に言うならば、アメリカ競馬
    も日本の競馬も同じく厳しいぜといったところです。

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     記者サカタと現地案内人 Tin 氏 ( 通信で知り合った現地日本人青年 )
    は、前日夜更かししたため朝早起きできず、午後3時からの競馬場インとな
    りました。これは明らかに、ヒシアマゾン欠場に記者の気合いが抜けていた
    せいですね (^_^;)。---- ともあれ LA. は花曇り、ぽかぽかで陽気は最高、
    半袖で観戦です。

     サンタアニタ競馬場は日本の競馬場よりこじまんりとしたつくり ( 中山
    をこぶりにして逆回りにして平にした感じ ) で、場内をたくさんのカモメ
    が飛び回り、コースの向こうに美しい丘が見えてとてもとてもラブリーでし
    た。集っている人々の数は、府中でいうなら土曜のお昼くらいといったとこ
    ろでしょうか。家族連れが多い。

     競馬場へつくや否や二人は、インフォカウンターにかけつけ案内のおばさ
    んをつかまえて、「どうやって賭けるのか教えてくれ」とのっけから核心に
    迫ってみました。パンフレットを買えば載っているといわれましたが「賭け
    方だけ分かればいいのです、$1 あればむしろ賭けてしまいたい」と食い下
    がり、WIN( 単勝 )、PLACE( 2着までに入れば OK の複勝 )、SHOW( 3着ま
    での複勝 )、EXACTA(1-2 を当てる連式 ) と方式を教わるのに成功。さらに
    アメリカ競馬にはやたらと多いらしいスクラッチト ( 出走取り消し・実際
    多かった ) をおばさんの紙から書き移して、OK サンキュー、おーし ! と
    気合いを入れ、揚々とパドックへ向かいました。

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□ 7 レース
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     競馬は初めての案内人 Tin 氏に、サカタは講釈を述べます。

    「馬というのはだね、見れば分かる。バランスとか筋肉のつき方とか、よく
    見てみなさい」「は。」「ワシにはあの3番がよく見えるの」「たしかに」
    「それに6が白くてかわいい」「は」。

    レース:6番が先頭を元気に逃げたのはよいものの、直線に入るまでにバテ
    てしまって大差の情けないビリ、混戦から3番が見事に抜け出し勝ちました。
    つまり、はずれ。けれど日本の馬場よりもかなり近く感じるダートコースを、
    馬たちがダダダと駆け抜けていくのは、日本を1年前に離れた私が久しく忘
    れていた快感です。

    「…………ま、半分は見解が当たったということじゃないですか、ねえ Tin
    さん、配当はないけれど ( いきなりトーンが下がる ^_^;)」「……面白い
    ですねコレ」「でしょ(^_^)」。

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□ 8 レース
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     次はいきなり本日のメインレース、サンタアナハンデです。ヒシアマゾン
    がいないのでこれといって抜けた馬がいない。目を皿のようにして勝ち馬を
    探します。

    「6 .... がいいかな ....Tin さん?」「ふむ (^^)」「.... けど他にい
    いのがいないね ..... 2かな。ああ、アマゾンがいたらなあ (;_;)」「ふ
    む (^^)」。---- しかし、これは本当に GI なんでしょうか。お客さんのノ
    リは日本の土曜の特別よりも静か、各馬のファンが集っているという風でも
    ないし、実に淡々としています。

    レース:特に観客が盛り上がるでもなく静かにスタート、あれれと拍子抜け。
    6がいきなりまた先頭を突っ走り、ハラハラしているうちに案の定またバテ
    つぶれてしまいました。バカめ、学ぶことを知れ ( 別に同じ馬じゃないけ
    れど ;_;)。場内放送は日本と同じく超早口で、なにを言ってるのかさっぱ
    り分からない、ターフビジョンなんてもちろんありません。私たちの買った
    馬はなんにも来てないと分かるだけ。あーおねがいだーきておくれ。………
    結局、5-1 となり二人ともかすりもしないまま、本日お目当てのメインレー
    スは終わってしまいました。レース的にはコ―リー・ナカタニのうまさが際
    立っただけ。馬たちについてもレース内容についても、正直に言って特別な
    印象は持てませんでした。

    「あー、やっぱりナカタニさんだったのか〜、うまいなあ、こんちくしょう
    買ってないよ (;_;)」「誰ですかそれ?」「あ、あの騎手は上手で有名でね」
    「ともかく、ぜんぜん僕らのは来なかったですよ (^^)?」「あ、その ....
    やっぱり賭け事は厳しいのですよ Tin さん (^_^;)、それを若いあなたにも
    分かってほしい (^_^;)」「ふむ (^^)。PLACE にしとけばよかったな」「そ
    うですね、やっぱり当たらなきゃ泣きたくなっちまいますもんね。当たる確
    率の大きいのに限ります、配当なんて二の次三の次」「かすりもしないとむ
    なしいですからね (^^)」「うう」。

     それにしてもヒシアマゾンがここにいてくれたらば。思うことはそればか
    りなのでした。勝ったワンデスタのタイムが 1800M 1 分 50 秒 1 でしたが、
    慣れない他国のトラックとはいえどもヒシアマゾンが、同じ「地面の上」を
    走るのに 50 秒を切れないということは私には考えられない。レースを見た
    あとでも、どうしても自分が今見た馬たちにヒシアマゾンが負けるシーンが
    想像できないのでした。印象に残ったのは、ナカタニ騎手の腕前ばかりなの
    でした。

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□ 9 レース
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    「もう二つ続けてはずれたのであたしはすっかり疲れちゃいましたよ Tin
    さん。パスします (=_=)」「じゃ僕だけ買ってきましょう。1 と 9 の
    PLACE を一つずつ。SNOWY'S MARK と ICY LUCK でなんだか語呂がいいし」
    「どうぞそうしてちょうだい」

    結果: 9 番が直線抜け出し、最後までねばって2着になってくれました。
    Tin 氏の初勝利。「を────っ!!  やったね Tin さん !」「わは (^^)、
    やりましたね」「うまいねー、ワタシのアドバイスなぞ聞かない方が当たる
    のね」「はは (^^)」

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□ 10 レース
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     よし、このままでは恥ずかしくて国に帰れん、なんとしても最終レースは
    当てるぞと、Tin 氏の勝利に勇気づけられたサカタ記者は気合いを入れなお
    しました。パドックで:

    「次はどうですか Tin さん」「もう決めちゃったよ (^^)」「え? だって
    まだ馬がパドックをぐるり1周もしてないよ」「もう決めたからいいです」
    「そ・そんな決断の早い。ちょっと待ってクダサイな。あなたギャンブルに
    滅茶向いてますね」「はは (^^)」。

     反対にぎりぎりまで悩みまくる記者。どう見ても抜けて馬体がよく、オッ
    ズでも人気になっている5番は間違いないのだが、相手が分からない。だい
    たいパドックを回ってくれる時間がものすごく短い。.... 分からないとき
    は大勢に従おうと (笑)、2番人気の8番に決めて 5-8。さらに念のため 8-
    5( 連複は誰に聞いてもやり方が分からなかった )。これがはずれたらもう
    アメリカ競馬への完全敗北なので念には念を入れ殺す5の WIN。ヒシの分ま
    で私は勝つのだ。Tin 氏も5の SHOW で勝負。走れ (5) アックラー!

     ところが奇跡か神懸かり、アックラー号は見込んだ通り、ゴール前では完
    全に抜け出す余裕の勝利。Tin & 記者は欣喜雀躍、大喜びです。「何倍つい
    たかな Tin さん?」「単勝はそんなにつかないんじゃないですか、人気だっ
    たから (^^)」「………… (^_^;)、でも金額じゃなく、勝ったということに
    意義があるんだよね、きっと世の中って (^_^)」「そう .... ですか、ね
    (^^)」。---- まったく個人的な勝負に血道を上げていた記者は、このレー
    スに出ていたはずの中舘騎手がどんな騎乗をしていたのか、さっぱり記憶に
    ないのでした ( ごめんなさいファンの方 ^_^;)。

     というわけで、記者1勝2敗、Tin 氏2勝2敗というまあまあの成績と大
    いなる満足感を残しつつ、二人はサンタアニタ競馬場をあとにするのでした。
    面白かったね、Tin さん (^_^)。アメリカ競馬もなかなかいいですな。

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     帰る前にお土産屋さんで、記者は友人の競馬野郎に配布するおみやげ用ナ
    イスなTシャツを購入。そのときふと報道の役目を思い出したワタクシは、
    売店のおばさんにインタビューしてみました。

    「今日は日本人が多いんじゃないですか?」「まあ ! そうなのよ、本当にナ
    イスなピープルよね」「そですか (^_^)?」「礼儀正しいし身なりはいいし」
    「ありがとうございます (^_^)」「英語もきっと喋れると思うんだけど、シャ
    イなんだと思うわ」「その通り (^_^)」「今日は日本の馬が走る予定だった
    んでしょ?」「ぞうなんでず (;_;)、わだじも彼女を見にきたのです」「でも
    走らなかったのよね、気の毒にねえ」「うっ....( 売店の床に泣き崩れる)」。

     そして、おみやげを購入中の日本人2名にも突撃インタビューを敢行。

    「ハ〜イ、今日ハ日本カラおいでデスカ〜?」「はい」「勝ちました?」
    「ぼろ負けです (;_;)」「おー、カワイソウニネー、ヒシもいないし」「さ
    んざんです (;_;)」「おー、カワイソウニネー(;_;)」

     というわけで、日本人にはなかなかハードな一日だったのでした。しかし、
    ヒシアマゾン不在とはいえ LA. のポカポカ天気の中のかわいらしい競馬場、
    あちこちでのどかに競馬を楽しんでる日本の人々の姿を見かけましたから、
    皆それなりにアメリカ競馬を楽しんでいたのではないでしょうか (^_^)。

     以上、FHRACE カナダ特派員サカタがお伝えしました。日本へ帰る途中で
    楽しい一日が過ごせ、ラッキーでした (^_^)。.... でもヒシがいてくれた
    らラッキーどころじゃないうれしさだったのになあ (;_;)。


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